アメリカのトランプ大統領が、2015年12月に採択されたパリ協定から離脱することを発表しました。
パリ協定は地球温暖化対策に関する多国間の協定で、EUや日本など190以上の国・地域が参加しています。
その中身はというと、
〇気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑える方向で努力する。
〇今世紀後半の温室効果ガスの排出をゼロにする。
〇各国が目標を策定し5年ごとに見直しを行う。
〇開発途上国への支援
などが盛り込まれています。
そんな中、日本で火力発電の建設ラッシュと言うニュースを見かけました。
日本はパリ協定に対してどのような思いを持っているのでしょうか。
日本の火力発電所建設の状況
NPO法人気候ネットワークによると現在、既設の火力発電所は日本全国に96基あり、今後新設の計画、新設中の火力発電所は49基あるとのことです。(うち3基は中止か)
気候ネットワークによれば「既に2基が稼動開始、年間で推計137.8万トンのCO2を排出しており、さらに計画中の44基が建設・稼動されれば年間で推計1億2066.8万トンのCO2が排出されることになる」とのこと。
あれあれ?!
なんか日本はパリ協定と逆方向にむいていない?
パリ協定に対する日本の取り組み方針
外務省のHPにパリ協定に関する日本の取り組みが出ていました。
どうやら温室効果ガスの削減に意欲はあるような記載です。
エネルギーミックスについての記載をみると、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱発電)の比率は22-24%、原子力が22-20%とのとこ。
残りの60%は何で発電するつもりなんでしょうか。
現状のエネルギーミックスを見てみると次のようになっています。
これを見る限りでは天然ガス・石油・石炭による発電割合が2015年で85%を占めています。
つまり、日本は火力発電の割合を85%から60%の割合に減らすことで、温室効果ガスを削減しようと考えているようです。
そのために、より効率よくCO2の排出量を抑えて発電できる火力発電所の新設が必要なのでしょう。
日本は自国だけで目標を達成するつもりはない?!
外務省の資料を読み進めると次のページにこのような記載がありました。
つまり、日本はODAによる開発途上国への支援することによって、温室効果ガスの削減された分を日本が買い取り、自国の目標を達成に活用しようということを考えているようです。
日本の目標はそもそも低い
他国の温室効果ガスの削減目標と日本の目標を比べると、2030年までの目標値は明らかに低いです。
しかもその中身は他国からのCO2排出権を買い取ることによって達成しようとしているわけですから、自国内で努力する意識に欠けているように思えますね。
企業は様々な取り組みを実施
そんな中、日本企業の中には高い目標をもって環境活動に取り組んでいる会社があります。
日本を代表とするトヨタでは「環境チャレンジ2050」として6つの高い目標を掲げています。
①新車CO2ゼロチャレンジ
→新車のCO2排出量を90%削減
②ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ
→製造から走行、廃棄までのライフサイクル全体でCO2をゼロに近づける
③工場CO2ゼロチャレンジ
→低CO2技術と日常のカイゼン、再生可能エネルギーと水素利用によってCO2をゼロ
④水環インパクト最小化チャレンジ
→製造で使用する水を減らし、使った水も綺麗にして環境に返す取り組み
⑤循環型社会システム構築チャレンジ
→資源の循環にチャレンジし、養った技術を世界に広げていく
⑥人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ
→工場の森づくりなど人と自然が共生する未来づくり
他にも、高い目標を掲げて取り組んでいる企業が多くある中、日本の環境に対する意識が低いのではないでしょうか。
まとめ!!
世界中の環境意識が高まる中(アメリカ除く)で、国や一部企業が取っている活動は経済優先で環境に対する危機意識に欠けるものがあると思います。
電力自由化や太陽光エネルギーなど、個人でも使用するエネルギーを選択できる時代が来ていますので、一人ひとりが環境についてもっと考えて行動ができると思います。
まずは身近な電気から環境について考えてみませんか。
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では!